サラリーマンのオアシス
いわゆる居酒屋という存在は、仕事で疲れた心身を癒やす為のオアシスと言えます。
ですから居酒屋は仕事を持ち込まずに、仲の良い同僚や後輩と来て色々な話に興じるのが少なくとも心の健康には良いのかも知れません。
自宅の経済的事情や仕事の繁忙期等の事情で、お店に来られない事もありますが、暫く間を置くと来たくなる場所の代表格でもあります。
何故そんな気持ちになるのかと言えば、居酒屋の醸し出す雰囲気が故郷の実家宅の、庶民感覚に似ているからかも知れません。
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居酒屋での慣習とそこから来る優しさ
居酒屋に来ると突き出しの一皿が運ばれて来て、まずは飲み物の注文というのが定番です。
日本人独特なのか分かりませんが最初はビールを頼むのが慣習であり、それ程込んでいなければ僅かな時間で提供されます。
そして乾杯をしてとりあえず喉を潤す、この瞬間の為に働いていると感じる人は少なくないでしょう。
会社で嫌な事があったり、何らかのミスをして上司に叱られ凹んでいても、この瞬間は皆が笑顔になれる瞬間でもあります。
そしてここでアルコールに弱い人物がいると、無理をしなくても良いと労ってくれる優しさも回復出来るのです。
デジタルに慣れすぎた現代人には、こうしたアナログな場所が必要なのかも知れません。
居酒屋には多様なアルコールからソフトドリンクのメニューも揃っていますから、ビールからウーロン茶に切り替えて居酒屋タイムを満喫する事も可能です。
居酒屋での思い出
居酒屋とウーロン茶という言葉が出てくると、思い出す事があります。
それは、お酒は飲めないけれども皆が笑顔でお酒を楽しむ居酒屋という場所にいると、ウーロン茶でも楽しくなると良い放った彼女の言葉とその笑顔が私の頭に蘇ります。
それを発したのは小学生時代の同級生で初恋の女の子であり、今でも恋人ではありません。
私が二十代の頃小学生の同窓会をやろうという事になり、いわゆる大衆居酒屋に皆が集合しました。
彼女は時を経て、大人の魅力を得た美人に成長していました。
私はビールを手に取り、少々の緊張を紛らすにはそれで十分であった様です。
同級生達は思い思いに、好みのアルコールを片手に思い出話に花を咲かせていました。
何故か同窓会には、こうした昔ながらの居酒屋はしっくり来るのですから不思議です。
彼女は才色兼備という言葉が相応しい存在で、私にとっては高嶺の花というのが適切な説明かも知れません。
ですから私を含めた男性諸君間での競争率は高く、当時の私はそれを見守るのみでした。
それから、彼女と会う事は未だにありません。
しかし懐かしい香りのする居酒屋で彼女の言葉が私の頭を反芻し始めると、必ずウーロン茶を頼むのが癖になりました。